オタク女子の王子様はスマホの中から飛び出した!?①






『あれ?隣は嫌・・・?

 嫌われちゃったかな。』


「い、いや・・・そうじゃなくて・・」


言葉に詰まる。


ピピピ・・・ピピピ・・・。


私の体温計が鳴る。


『君、名前は?』


「く、黒辻ひなたです。」


『ひなたちゃんか。

 俺は宮代雄大。

 朝も名乗ったね。よろしく。

 それより熱、大丈夫?』


すっと先輩がすぐ傍まで寄ってきて

私の胸が高鳴る。


「だ、大丈夫です。」


私の言葉なんてお構いなしに

先輩の手が私の頬に・・・

いや。頬じゃない。手に伸びてきた。

そして体温計を奪われる。