オタク女子の王子様はスマホの中から飛び出した!?①






「あら。珍しいわね。

 2年生よね。お名前は?」


「黒辻ひなたです。」


「黒辻さんね。

 今日はどんな症状で?」


「え・・・えっと。」


言葉に詰まっていると

石崎が口を開く。


「熱っぽいんです。」


「あら・・・熱

 計ってみてくれるかしら。

 付き添いの彼は

 もう帰ってくれて大丈夫よ。

 ありがとうね。」


「あ、はい。

 じゃあな。黒辻。」


そう言って石崎は

保健室を出て行った。