オタク女子の王子様はスマホの中から飛び出した!?①






「離れてください。」


「やだ。」


「駄々っ子ですか。」


「ううん。」


「じゃぁ離れてください。」


「・・・。」


急に静かになられて

不安になった私は

先輩の方に振り向く。


「先輩?」


振り向いた先、先輩の顔と

私の距離はほんの数センチ。


「ぁっ・・・(近っ・・)」


ふぃっと目をそらしてしまう。

近くで見ると

より綺麗な黒い瞳に

吸い込まれそうになる。

長い睫毛に、すっと通った鼻筋。

私とは天地がひっくり返っても

釣り合わない まさに王子様だ。

見た目だけは。