オタク女子の王子様はスマホの中から飛び出した!?①






「ふぅ・・・

 あと少し・・・。」


もう少しで終わりそう!

そう思ったとき、


「ふぁっ!」


突然後ろから抱きしめられて

変な声が出た。


「せ、先輩?」


後ろから抱きしめられていて

顔は見れないけど

ふわっと香る

シャンプーだろうか、洗剤だろうか、

何にしろ先輩の匂いがして・・・

その匂いに包まれる。


「何してんの。」


耳元で低く囁かれる。


「そ、そのトーンで

 耳元で話すのやめてください。

 何か・・・ぞわってします。」


「何それ・・・。」


相変わらず先輩のペースで、

右耳のすぐ後ろには

先輩の唇。

意識的なんだろうか・・・

不規則にかかる吐息が

私の心臓を狂わせる。