赤黒いバラ

「ごめん。言いすぎたよ。桜だって考えてくれてその答えなんだよな…。わがまま言いすぎた。」

斗真はそれから泣いてる私を見てずっと黙っていた。

斗真の気持ちも分かる。

斗真は悪くない。

わがままなのは私。幻覚を見てるのは私。

惨めなのは私。報われないのは私。

ただ、夢を見ていたいからと自分を守るために相手を傷つける。

それがどれ程残酷で許されないのか…

私は知っていたのに知らないふりをしていた。