君待ち人





全てが懐かしく、微笑ましい。



あの約束をした日が、遠い過去の思い出になってしまった今、私はどんな想いを抱えているんだろう。





あの男の子が好き。


顔も名前も思い出せないのに、なぜだか好きって気持ちは心に残り続けているんだ。



この純粋な想いは、あの頃と色も形も変わっていないのだろうか。それとも、砂の城みたいに、少しずつ変わっているのだろうか。





夢として回想した約束を、幾度となく胸に刻み、毎日毎日あの公園で君を待つ。





春の桜は、約束をした日も、約束を待とうと決めた日も、満開だった。


誇らしげに、私の名前となった桜は、咲いていた。






――『私、ずっと待ってる』





泣きながら、そう伝えたんだ。



夢の中での私は、顔をぐちゃぐちゃにして大泣きしている。


こんな表情をしていたのかと、少し笑っちゃうくらい。