その時の私は、約束の男の子を諦めかけていた。
もう戻ってこないかもしれない。そもそも約束が果たされる保証なんて、どこにもなかった。
日に日に自信がなくなって、この恋を終わりにしようともしていた。
だけど瑛美の言葉を聞いて、変わったんだ。
ずっと約束の男の子への初恋を忘れられなかったのは、それほど好きだったから。
何度も消すための言い訳を考えていたのは、初恋を忘れたくなかったから。
自分次第で恋はいろんな結果になる。
瑛美がいたから、そのことに気づけたんだ。
「私、中学の頃友達のおかげで、この約束を忘れないでいることができたんです」
「忘れそうだったの?」
「……忘れようと、してました。だけど、忘れないようにしようって決めたんです」
私は凪雲先輩を目を合わせて、目尻を下げた。
忘れないこと。それが私のできることだから。
「じゃあ友達に感謝しないとね」
「ですね」
瑛美は自分から動いた結果、碧くんと両思いになれた。
やっぱり自分次第なんだ。有言実行し、証明できた瞬間だった。



