私はベンチに座り、隣を一見せずにへらりと頬を緩めた。
「中学の頃の友達からメールが来てて、それを見てたらなんだか中学の頃を思い出しちゃって」
なぜだろう。生徒会長との会話を、話せなかった。
生徒会長のことを話したら、また彼が苦しそうに微笑むんじゃないかと案じて。
どうしてそう思うのか、私にもわからなかった。
だけど、そんな気がしてならなかった。
「そっか。中学か……懐かしいな」
「まだ高校生になったばかりなのに、遠い日のように感じます」
私は目を閉じて、中学の頃の日々をうっすらと想起する。
中学の頃は、約束の男の子は私の前には現れることはなかった。
そして私自身も、約束のことはパンドラの箱にしまっていた。
初恋は叶わないもの。
そういえば、瑛美がそれは間違いだと主張していたっけ。
『そんなの、自分次第だよ!』
そう訴えた瑛美は、その頃はまだ彼氏ではなかった碧くんに恋をしていた。
私はそんな瑛美の言葉に、勇気をもらったんだ。



