君待ち人






「ですよね。土日まで来てたら、私、焦っちゃいますよ」



私は空気を変えるため、わざと明るい声で喋った。



でも実際、本当に焦っちゃうところだった。


凪雲先輩が土日まで来て、人を待っているのに、私ときたら家でのんびり過ごしてたり友達と遊んでるんだもん。



だからホッとした。




凪雲先輩は何も言わずに、不器用に微笑んだ。


見るからに作った笑顔だけど、そこには触れなかった。触れたくなかった。




凪雲先輩は、ネガティブな思いを隠すのが下手だ。


辛い辛いって、心が叫んでる。



でも、誰にも知られたくないと思っている。





きっと凪雲先輩の心をわかるのは、彼自身だけ。





私は気になる気持ちを抑え、ただ大きな木を眺めていた。


ほんのわずかでも彼の辛さをわかち合いたいけれど、きっとわかり合うことすら不可能だろう。




私には彼の気持ちがわからないし、わかったとしてもわかり合うどころか逆に何を言えばいいかわからなくなって気まずくなってしまう。