どうしてそんなに苦しそうなの?
どうしてそんなに……
彼の瞳は涙をこぼしそうなくらい、揺れているの?
「凪雲先輩の待ち人さんも、きっと幸せです」
「え……?」
「だって、凪雲先輩、毎日毎日待ち続けてるじゃないですか」
目の前にある大きな桜の木は丸裸になっても、堂々と立っている。次の季節を待ちわびているみたいに。
まるで、凪雲先輩みたい。
誰かをずっと待ち焦がれている、そんな彼の姿と似ている。
凪雲先輩の待ち人がどんな人で、凪雲先輩とはどんな関係なのか、全然わからない。
だけどきっと、凪雲先輩がこんなにも待っていることを知ったら、嬉しいに決まってる。幸せを感じるに決まってる。
「幸せ、かな?」
「幸せですよ。きっと」
「そうだといいな」



