公園に行くと、やはり先に凪雲先輩が来ていた。
毎回、私より先に彼はここへ来ている。
それほど、会いたいと思っているのだろうか。
それほど、時間が惜しいのだろうか。
「こんにちは、桜ちゃん」
「こんにちは、凪雲先輩」
もうすっかり散ってしまった桜は、地面に全て落ちている。華やかな薄紅色だった花びらは、とうに褪せた。
おかげで若葉公園のシンボルの大きな木は、丸裸。少し寒そうだ。
春の面影は、こうやって消えていく。
「……今日の昼休み、目が合ったね」
ドキッ、とわかりやすく胸が高鳴った。
やっぱり、こっち見てたんだ。目、合ってたんだ……。
桜の代わりに、頬が薄紅色に彩られる。両手を頬に当てて、赤面を隠した。
「中庭で、昼食したの?」
「は、はい。天気が良かったので」
「そっか。確かにいい天気だもんね」



