白河くんは頭を撫でる手を下ろし、穏やかに目を細めた。
ありがとう、“しーくん”。
「じゃあね、白河くん」
「またな、三吉」
キラキラしていた無邪気な約束は、お互いの心の中で永遠となる。
アルバムの一ページに、刻もう。
忘れたくない思い出として。
校舎を出て、裏に回る。小さな公園には、やはり凪雲先輩の姿があった。
だけど今日はベンチに座ってはおらず、桜の大きな木のそばに佇んでいた。
「こんにちは、凪雲先輩」
「あ、桜ちゃん。こんにちは」
「何してるんですか?」
凪雲先輩のところに駆け寄り、尋ねる。
いつもはベンチに座っているのに。
「見て、これ」
凪雲先輩は、桜の木のある枝を指差した。



