ただ海の姿が見たい。
どうか、どうか無事でいてくれ……!
三〇五号室の扉を開ける。一つのベットがあり、そこに海がいた。
窮屈そうな酸素マスクを着け、眠っている。
呼吸をしていることがわかり、心の底から安心した。
病室には空と海の両親がいた。
『海は大丈夫なんですか?』
『命に別状はないって、さっき言われたわ。だけど、全身打撲で意識不明。いつ目を開けるか、わからないって』
視界が真っ暗になったような感覚に堕ちた。
海は、信号が点滅していたが、横断歩道を渡ろうとして、トラックに引かれたらしい。
『この花束を持って、若葉公園を目指そうとしてたみたいよ』



