「呼び捨てで呼ぶのは、やっぱり照れるな」
「……そ、そうですね」
そんなふうには見えなかったけど。
凪雲先輩は、私に気を遣ってくれたのかな?
呼ぶ方も呼ばれる方も、私にとっては精神的に耐えられなくて。
俯いたまま頷くほかなかった。
「そういえば、なんて言いかけたの?さっき」
「あ、えっと……凪雲先輩はいつからここで人を待ってるのかなって思って」
私はドキドキを隠すように両手の拳をギュッときつく握ったけど、声は少し上ずってしまった。
凪雲先輩は「んー……」と空を見上げる。
「いつからだろう。三月頃……かな」
「先月からですか……」
意外と最近なんだなぁ。
てっきり去年の秋頃とか、もうちょっと長い期間待っていると予測していた。



