君待ち人





元々、この公園には待ち人を待つために来ていたんだ。

約束を、果たすために。


凪雲先輩と会って、当たり障りない会話をして楽しむためじゃない。



そして昨日、ついに約束は果たされた。ちゃんと守られたんだ。




そのことを、すっかり忘れていた。放課後でここに来ることが、当たり前になりすぎていて。


いや、ただ考えないようにしていたんだ。無意識に現実逃避をしていた。



バカだな、私。

そうだよ。


もうここには来なくていい。


ここでの時間は、終わるんだ。




明日からはこの公園で凪雲先輩に会うこともないんだ。




彼の心に一歩踏み入れるどころか、入ろうとすることさえできないなんて、そんなのってない。


まだ何も聞けてないし、伝えられてない。



だけど、もうタイムリミットなんだ。





「今まで桜ちゃんと過ごせて、楽しかったよ」


「凪雲、せんぱ……」



「バイバイ」