「し、らかわく……?」
白河くんは何の反応もせずに、ただただ私を抱きしめた。
固い胸板に、濡れた顔が当たる。白河くんのシャツに、涙が染みていった。
また励まそうとしてくれてるの?
「俺なんだよ」
どれだけ時間が過ぎただろう。一分か、一秒か。それとも、それ以下か。
一抹の沈黙が、ようやく裂かれた。
「俺なんだよ。俺が……」
もどかしそうな声音も、私を包み込む体温も、やっぱりどこか懐かしくて心地よい。
だからだろうか。抱きしめられているのに、拒めない。拒みたくない。
「俺が……何?」
「お、れが……っ」
ギュッと、抱きしめる力が強くなった。
背中に添えられた手が大きくて、心臓が早鐘を打つ。
まるで、離さないと、優しく言ってくれているかのよう。



