「副会長と、待ってるのか?」
「……うん」
嬉々として頷くと、白河くんは喉仏を弱々しく上下させた。
「……そっか。呼び止めて悪かったな。じゃあ、また明日」
「うん、また明日」
早口で別れの挨拶を告げる白河くんに手を振って、私は教室を出た。
夏休みが明けて、久し振りに凪雲先輩に会える。
気分が上がって、自然と早足になった。
早足のおかげが、早く公園に到着した。
夏休みの間、ずっと会えなかった凪雲先輩が、ベンチの隅に腰を掛けている。
「こ、こんにちは!」
張り切りすぎて、随分と大きな声での挨拶になってしまった。
「こんにちは、桜ちゃん」
何気ない挨拶だった。いつもの、普通の、挨拶。
そのはずなのに、今日はやけに特別感で満たされる。



