君待ち人







茜色が差す、放課後。



私が教室を出ようとすると、


「三吉!」


と、白河くんに引き留められた。



「なに?」


振り返り、問いかける。



白河くんはいつになく緊張していて、表情筋が引きつっている。


どうしたんだろう。



「あ、あのさ!」

「うん?」


深呼吸を挟んで、続ける。



「……ほ、放課後、なんでいつも若葉公園にいるんだよ」


「え……え?なんで知ってるの!?」



「た、たまたま見えて……」



まさか見られてたなんて。いや、誰にも見られていないとは思っていなかったし、いつか噂になるかもって心配していたけど……。


なんだろう、ちょっと、恥ずかしい。




「人を、待ってるんだ」


「人……?って、だ、れ?」



たどたどしい言い方を突っ込みはせず、恋慕と哀愁を蘇らせながら返答する。



「うん。初恋の、男の子を」



なぜか白河くんの目が、見開かれていく。


私はカバンの持ち手を握り締める手のひらを、やや力ませた。