君待ち人





うろたえる私に、緋衣ちゃんはニヤリと意味深に笑う。



いいこと……か。


昨日の放課後のことは、“いいこと”なのだろうか。




「明らかに今日のお弁当、豪華だし。さっきの反応だって、驚きすぎだし。ぜーったいいいことあったでしょ!」




私のことを指差しながら、まるで探偵のように断言した。


確かに、今日のお弁当はオムライスで、いつもより頑張っちゃったけど!




……いいこと、なのかなぁ。


昨日は今までとは違う日だったとは思うけど、実際どうなんだろう。





「約束の話、前したでしょ?」



「あー、うん。引っ越しちゃった男の子に初恋中のやつでしょ?」



「そう、それ。私、その約束を交わした公園で、男の子を待つことにしたの」





私はオムライスを一口食べ、照れくさそうに報告した。


きっと、私の中での“いいこと”はこれだ。




「待つって……初恋の男の子を!?無謀じゃない?」


「私もそう思うけど、待ってみたいの。会いたいんだ、男の子に」