「ま、夢なんてそんなもんだしな」
「そうなんだけど……」
夢の内容が、気になる。
大切なことを忘れている、と私の中の何かが暗示している。
でも、いくら反芻しても内容は欠片もわからず、結局思い出すのを諦めてしまった。
「…………しーくん……」
「え……?」
「あ、いや、なんでもない」
ふと脳裏を過ったその言葉を、無意識に呟いていた。
しーくん。
誰かの、名前?
だとしたら、誰の?
「ほら、教室戻らねぇとチャイム鳴っちまうぞ」
「う、うん!」
屋上の扉を開けて待ってくれている白河くんを慌ただしく追いかけて、屋上をあとにした。



