君待ち人





ずっと握り、握られ続けたちっぽけな手のひらは、どちらも震えてはいなかった。



二人が見据えている先に、約束を果たす未来があるのだと信じていたから。





その日を境に、私はしーくんに会っていない。


しーくんがこの街からいなくなる日、私はずっと自分の部屋の窓からあの公園を眺めていた。




バイバイなんてしない。

さよならなんてしない。



だって、また絶対会えるから。


心を照らすのは、約束と想いと希望だけ。





公園の桜は、自分の部屋の窓からでも見えた。


あまりに綺麗に色づいた鮮やかな桃色が、ハートにまで侵食していく。





「またね、しーくん」





しーくんと約束を交わした情景を思い出しながら、小さく小さく呟いた。


この声が、想いが、しーくんに届きますように。






約束は、消えることなく

今も胸の中に残り続けている。