君待ち人






『私も、ずっと待ってる』




涙を拭った真っ赤な目に、しーくんを映す。拭ったのに、しーくんの輪郭はボヤけていて、はっきり見えない。



しーくんが絶対戻ってくると言ってくれた。

だったら私は、しーくんがまたここに戻ってきてくれる日まで、ずっと待ってる。




前に出した震える小指に、しーくんは自分の小指を絡め、結んだ。




『『ゆびきりげんまん。嘘ついたらはりせんぼんのーます。ゆびきった』』




私達は、切ないほど可憐な桜の木の下で、新しい約束を交わした。


無垢な幼子らしい、現実味のない約束だったかもしれない。




だけど、少なくとも私としーくんの中では、その約束だけは永遠に存在し、その約束に溢れる愛も忘れはしない。





『僕、明日ここからバイバイするんだ』



『さみしくなるね』



『……うん。だけど、桜ちゃんのことずっと、ずーっと大好きだからねっ』



『私も、しーくんのことだーいすきだから』




お互いがお互いの愛に張り合うように、想いを叫び合い、焦がれ合った。