泣きたいのは、私じゃない。
彼の方だ。
凪雲先輩が抱えているのは、どんな約束なんだろう。
知りたいよ。
ねぇ、近づきたいよ。
「……ん……」
「あ、起きましたか?」
「あれ……。俺、いつの間に寝てたんだろ」
凪雲先輩は空いてる方の手で、目をこすった。
眠気が冴えて、すぐに私の手を握っていることに気づき、ハッとして手を離す。
「ご、ごめん」
「い、いえ……」
ほんのりと頬を赤くした凪雲先輩に、私は気まずくなって俯いてしまう。
彼の照れた表情を、初めて見た。心拍数が上がったのは、なぜ?
「凪雲先輩、どんな夢を見ていたんですか?」
私、ひどい子だ。
彼が辛い思いをするって知ってるのに。
それでも、どうしても聞きたい私は、やっぱり最低だ。



