どうかしたのかな?
傘をたたみながら、凪雲先輩のいる大きな木の下のところに駆け寄る。
木の下は、たくさんの緑の葉が屋根となり、雨宿りの場所になってる。
「凪雲先輩?」
凪雲先輩の顔を、下から覗き込む。
あ……。
「寝てる……」
凪雲先輩は木にもたれかかりながら、腕を組んで眠っていた。
だから挨拶が返ってこなかったのか。
疲れてるのかな。
気持ちよさそう寝顔だな。まるで子どもみたいだ。
睡眠の邪魔をしちゃ悪いよね。
私は彼の横で何も喋らずに、ただ立っていることにした。
「う……」
「……凪雲先輩?」
小さな呻き声を、聴覚がかすめ取る。
反射的に横を向くと、凪雲先輩は悶えるように顔を険しくさせていた。



