ドクン、ドクン。心臓の核が振動してる感覚に堕ちる。
初めて感じたこの感覚は、すぐに跡形もなく消え去った。
なんだったんだろう、今の。
何かの警告……いや、そんな怖いものじゃない。……そう、いわば、予感のようだった。
「よし、終わった!」
私は最後の一つをホチキスで止め終えると、グイッと両手を伸ばした。
椅子から立ち上がり、カバンの持ち手を肩にかける。
「じゃあ、私、これを職員室に持ってくね」
「そ、それは俺がやるから、もう帰っていいぞ」
「……そう?じゃあ、よろしくね。それじゃあ、バイバイ白河くん」
持っていこうとした資料の山を白河くんに渡し、別れの挨拶を交わす。
軽く手を振り、背を向けた。
そのまま歩こうとしたが、私の腕を白河くんが掴まれ、否応なしに足を静止させる。
「白河くん……?」
どうかしたのかな?
骨ばった手のひらが、わずかに握る力を強めた。



