君待ち人





苦笑をこぼす私に、凪雲先輩はクスッと笑みを噴き出した。


今日の凪雲先輩は、元気そうだな。




それにしても、生徒会って皆仲良しなのかな?


それとも、凪雲先輩と会長の距離が近いだけ?




「凪雲先輩」


「ん?」



「会長と、付き合ってるんですか?」




体育祭の頃から……いや、もっと前から気になっていたことを、単刀直入に問いかけてみる。


内心変に緊張していた。


凪雲先輩は目を少しだけ開いていた。





「どうして?」



「体育祭の頃から仲がいいなぁと思ってて……それで、その……気になって」





私は無意味に足元で、水たまりをぽちゃぽちゃさせる。



……それに、もう一つ、理由があるんです。

凪雲先輩のことが知りたいから、聞いたんです。教えてくれますか。




その理由は、言わなかった。言えなかった。


私にはまだ、凪雲先輩との距離をもっと縮める覚悟も勇気も、芽生えていなかったから。