「尚陽くん!!」
「あ、美奈ちゃん」
尚陽くんが こっちを向く。
それと同時にあたしは、尚陽くんの他にもう1人いることに気づいた。
尚陽くんの横に立ってたのは―…
昨日、あたしが見た、尚陽くんの隣にいたあの女の子だった。
「尚陽~、誰?」
「ん?友達の美奈ちゃんだよ」
「初めまして!」
女の子が、あたしの方を向いて笑顔で軽く頭を下げる。
そして―…
あたしの聞きたくない言葉を発した。
「よろしくね、あたし、東校の村原悠佳です。いちお…尚陽の彼女ですっ」
「あ…」
やっぱり彼女だったんだ―…
「へぇ…尚陽くん彼女いたんだ…」
「まぁね。まだ付き合い始めたばかりだけど…」
「そっか…」
その瞬間、尚陽くんの隣で頬を赤らめる悠佳ちゃんが、どうしようもなく羨ましくなった。
ダメ…泣いちゃダメ…