君はあたしの天然王子





「あっ…美奈ちゃん!晴れてきた!」


「ホントだ…」



窓から空を見ると、雨雲の隙間から光が差し込んでいた。



雨や雷が鳴っていたのが嘘みたいに晴れてきた。




「じゃあ…尚陽くん。今日はありがとう!」


「あっ待って!」



尚陽くんが、あたしの腕を掴む。



「~っ…」



「送るよ?」



「大丈夫だよ!まだ6時だし…」


「だって1人だと話し相手いないし寂しいだろ?オレと話ながら帰ろ~」




うわああ…今、すっごくキュンときた…。




「じゃあ…よろしく」

「んっ!」




帰り道、尚陽くんは色んなことを話してくれた。



尚陽くんは三人姉弟。

両親と一番下の妹は、近くに住んでいるらしい。



今日は、尚陽くんのことが色々知れた。


こんなに楽しくてドキドキする帰り道…初めてかも。