「うう…怖い…」



泣きそうになっていると、急に体が温かくなった。



トクントクンという鼓動が聴こえてくる。




これって―…




あたし今…



尚陽くんに抱き締められてる…?




そう思った瞬間、顔がボッと熱くなった。




それより何で…あたし尚陽くんに抱き締められてるんだ!?




「な…尚陽くん…」



「大丈夫だから」




尚陽くんの優しい声が耳元で響く。




「明かりがつくまで離れたらダメだよ?」



「は…はい…」




尚陽くんの体温が伝わってくる。




それと共に、あたしの心臓はおかしくなったみたいに、バクバクと動き出す。





な…何でこんなにドキドキしてんのよ、あたし!!