「尚陽くん…これからは何㎜かちゃんと見ようね…」
「?」
それから授業中も授業なんか聞いてなくて、ずっと尚陽くんを見てた。
プリントで折り鶴作ったり
消しゴムで はんこ作ったり…
お前は小学生か!!
でも見てると面白いし…飽きないし…
何だかドキドキするし…
ってあれ…?
あたしったら またドキドキしてる…?
「ねぇ、美奈ちゃん」
「はい?」
尚陽くんが あたしに顔を向けてくる。
ドキドキとリズミカルに鳴る心臓がうるさい。
「美奈ちゃん、もう授業終わったよ? いつまで教科書出してんのさぁ~」
―えっ…
あたしは周りを見渡した。
ホントだ…いつの間に…


