知らなかったなぁ…


お兄ちゃんも好きな人いるんだ…


あ、そういえば由陽さんもデートって言ってたような…


みんな恋してるんだね…



あたしは、リビングへ行き、ソファに座った。


そして、ふと気がついた。



尚陽くんって好きな人いるのかな…?



彼女はいる感じじゃないし…


き…気になる…


あたしはケータイに視線を落とした。



メールで聞いてみちゃう…?


でも…もし彼女いるよ

なんて返事が来たら…嫌だし…



って…




これじゃあ あたしが尚陽くんを好きみたいじゃん!!




あたしが…




尚陽くんを好き…?




「……分かんないよ」



あたしは一度手に取ったケータイを再びテーブルの上に置いた。