君はあたしの天然王子








「とにかく!きゅうりなんかでマムシ退治出来たら苦労しないわよ!」



「ちぇー」




そう言って、大事そうにきゅうりを鞄にしまう尚陽くん。




まったくコイツは…







「ねぇ、美奈」




「今度は何よ?」




「幸せかな」






へ?






「何が?」




「ねぇちゃんと美奈のお兄さん」





急にどうしたんだろう…





「そりゃ、結婚するんだから幸せなんじゃない?」






「でも、不安じゃねえのかな」






―不安―…





尚陽くんのその言葉にドキッとした。





「ましてや別の土地に住むなんてなったら、二人とも不安なんじゃないかな」







尚陽くんの突然の発言に、あたしは何も言えなくなった。