「俺は、きゅうりが嫌いだ」
「…はあ」
「俺が、きゅうりが嫌いということは!?」
「…ということは…?」
「マムシもきゅうりが嫌いなはずだ!」
ガクッ!
あまりの衝撃に、あたしの開いた口は閉じるどころか、広がっていく。
「だからさ、きゅうりを投げ付ければ、マムシなんてイチコロだと思うんだよね」
ニコニコ笑顔で話す尚陽くん。
ああ、もう…
「バカじゃないの!?マムシがきゅうり嫌いだなんて話聞いたことないわよ!」
「え、でも俺は嫌いだよ」
「尚陽くんのことじゃなくて…」
もう、どこまで とんちんかんなの、この天然王子は…


