「さぁ!行くよ、尚陽くん!」



「いざ桃の木山へ!」




あたしと尚陽くんは桃の木山に向かって歩き出した。





絶対に“白い花”を見つけるんだ。




お兄ちゃんと由陽さんに喜んでもらうために…





「何としてでも見付けようね、尚陽くん!」



「あいよっ!」




「あいよっ」って…





「なぁ、美奈」






尚陽くんがふと、あたしを見つめた。






「俺たちががんばって“白い花”を見つけて…そんでさ、二人を喜ばせよ。」




「尚陽くん…」






「な?」





尚陽くんが優しく微笑んだ。





なーんだ。



尚陽くんもあたしと同じこと考えてたんだ…