屋上に着いた。
太陽が出ていて、空気も美味しい....って、
そんなこと考えている場合じゃない!
美香たちを止めた方が良いの?
でも、またあたしがいじめられたら?
吉野がミスの座を奪ったりして....。
あたしが何もできずにいるうちに、
目の前にいる美香が口を開いた。
『あんたさ、二股してる?』
『....え?』
美香と雫の前にいる吉野はびっくりした様子。
『カイト君とどういう関係なの?
ミスの彼氏だって知ってた?』
雫が吉野に問い詰めた。
『あたしは、二股なんかしてない。
カイト君のことは別に好きじゃないよ?』
吉野ははっきりと言った。
『...嘘つくなよ。』
気づけば、あたしはそう呟いていた。
『え?』
皆が一斉にあたしを見る。
『昨日、デートしてたでしょ?
手も繋いでたじゃん!
嘘つかないでよ...!最低!』
あたしは叫んだ。
吉野、なんで嘘つくの?
怒ってるより...悲しい。
きっとそれは、吉野のこと信じたかったからだと思う。
二股してるんだったら、はっきり言ってほしかった。
嘘つかれる方が、嫌だよ....。