「っぎゃ!? なに!?……え」 「え、じゃねえよ。とんだご挨拶だな」 一瞬、わたしの後ろに立っているのがキキだと分からなかった。 しかし、声は記憶通りだし、顔もスタイルもそのままだ。 ねむそうな目に、薄い唇、通った鼻。 ぼさぼさの茶髪をかきあげながら、キキは長い足ですっとわたしの前に出た。 「どっか行きたいとこある?」 わたしは迷わず「ノープラン」と答えたが、キキもそうらしかった。 「じゃあ、とりあえずぶらぶらするか」 頷くと、キキは公園に隣接する商店街の方へ歩き出した。