血の雫








でも、助けを求めても無駄。

だってあたしは、その場から動けないのだから。





だって―――…。





あたしの人差し指を、

―――ドロップがくわえているからだ。





人差し指に何度も感じる、ドロップの舌の感触。

静かな教室内に響き渡る、ドロップが舐める音。





クラスメイトもあたしも、

何も言えなかった。





「…………」





ふとドロップが舐めるのを止め、あたしを見た。

相変わらず表情のない顔に、深い色をした青き双眸。

それ以外は、普段と変わらないはずだった。





「……ッ!?」




あたしは見てしまった。




「………あ」




隣の席の女子が、小さく悲鳴を上げた。





クラスメイトからも、小さな悲鳴が上がる。

ドロップの席の近くにいた男子や女子は、ドロップの席から離れて行く。