「あたし苦手な範囲だったからさー。
赤点かも」

「赤点取ると何かあるの?」



赤点は吸血鬼の世界にもあるから、意味は分かった。




「補習とか再テストじゃない?」

「アキナ成績悪いの?」

「数学は苦手かな」

「何が1番得意なの?」

「理科かな?
実験とか好きだよ」

「そうなんだ」

「ドロップは何が得意?」

「僕?」




ムーンライトで成績は良かったけどな。

学年順位トップ3には必ずはいっていたし。

まぁはいっていないと、ムーンライト家は継げないから。




「僕は化学かな。
実験とか好きだから」

「そうなんだ!」




クラスメイトは嫌だって言っていたけどね。

生きた魚や蛙を解剖、とかそういうのはなかったから。

色々な液体を使って、薬品とか作るの好きだったな。




「……どうしたの?」



思い出にふけっている僕を、アキナがジッと見つめていた。