血の雫









「それからわたしは姿を変え、ドロップを見守っていました。
あんな気弱で何をやらせてもパッとしない息子がどうなるのか、心配でしたのでね」




ドロップ…お父さんに凄い言われようだけど……。





「でも、心配することはなかったみたいですね。
アキナさん、あなたに会えたみたいですから」

「あたし…ですか?」

「はい。
ドロップは本当に幸せそうでした。
あんなに笑顔のドロップを見たのは、本当に久しぶりでした」

「久しぶり…ですか?」




意外だった。

あたしの中でドロップは、いつも笑っていたから。

聞くと、プラートさんは切ない表情を浮かべた。






「はい…。
あの子、今まであんまり良い人生を送ってこなかったので。
泣いているか無表情しか見たことありません」




泣いているか、無表情…。

そんなドロップの表情…想像がつかないよ。





「あの子、前から信頼できる友人や大人がいなかったんですよ。
あの子の母親は、あの子を生んですぐに亡くなりましたから」




ドロップのお母さんが…亡くなっている?

吸血鬼は不死身だと思っていたので、少なからず驚いた。