あたしは再び上履きに履き変え、校内へ戻った。
そして誰もいなくなった教室に戻ってきた。
「何かこの後用事でもあるかな?」
「何もありません」
「じゃあ、少し話に付き合ってもらえるね?」
男の人はパチンッと指を鳴らした。
同時に、教室の扉の鍵が閉まる音がした。
「誰にも入ってほしくないのでね」
男の人が椅子に座ったので、あたしも近くの椅子に腰かけた。
「初めまして。
わたしはプラート・ムーンライトです。
ドロップの父になります」
「き、木之上秋奈です」
ドロップのお父さんか。
ドロップってお父さん似なんだなぁ。
「ドロップは吸血鬼のくせに血が吸えない駄目息子なのでね。
あのままじゃムーンライト家は継げませんから、人間界へ行くよう命じたんですよ」
「そのムーンライト家って、お金持ちなんですか…?」
「お金持ち、かはわかりませんけどね。
吸血鬼界を背負っていると言っても、過言ではないですね」
ドロップって、そんなに良い所のぼっちゃまなんだ。


