血の雫








「でもよー…。
見かけだけだったかもしれねーじゃん」

「じゃあ聞くけどさ」




あたしは一歩、橋本くんに近寄った。





「橋本くん何度もドロップに勉強教えてもらっていたじゃない?
確かにドロップがテスト前に勉強していたのは、見かけだけかもしれないよ。
だけど、橋本くんたちに教えていたのは、能力で出来るの?」




テストとかは能力で出来るかもしれないけど。

他の子に勉強を教えるのは、ドロップ本人が理解していないと無理だ。




「……それは…」

「ドロップはドロップなりに頑張っていたんだよ。
テストとかバスケの試合とかでは能力を使っていたかもしれない。
それは証拠がないから、何とも言えないよ?

だけど、教えることや話すことは、能力では出来ないと思う。
ドロップ自身が努力して勉強を頑張って、皆と話していたんだと思う。

確かにさっき、ドロップは最悪なこと言っていたよ?
だけど、そんな簡単に皆は信じちゃうの?

皆がドロップと話していたのは、嘘だったの?
そんなに皆はドロップのこと、信じていなかったの?」





前までのあたしは、こんな堂々と言えなかった。

だけど、ドロップのことを悪く言われるのには、黙っていられなかった。





「皆が信じる信じないは、皆次第だよ。
だけどあたしは、ドロップを信じたい。
あの笑顔は、嘘じゃなかったって思いたい」




あの無邪気な笑顔は、能力や嘘では出来ない。

本物だと、信じたいんだ。