鐘が鳴り、慌てて口の中で転がしていたメロンキャンディーを噛み砕く。
呑み込むと同時に、ヘカテール先生が教室に入ってきた。
「では始めましょう。
起立!で立って、礼っ!で礼をして『お願いします』と言って着席します。まぁ今日は一人なのでしませんが」
「はい」
「では教科書はさっきの続きです」
羽根ペンにインクを付け直す。
メモするポイントは何と無く掴めた。
「魔法の相性についてですね。
魔法には相性というものがあります。
炎系魔法は水系魔法に弱く、水系魔法は雷系魔法に弱い。逆も言えますね。
しかし、炎のエレメントが多い場所では水のエレメントは少ない。
相性ばかりを考えていると魔力の限界を忘れてしまいがちなので気を付けましょう。
と、まぁずっと話を聞いてるだけでは分からないと思うので実践してみましょう。」
先生が燭台を教室の棚から持ってきた。
長い蝋燭が立っている。
「まずは基本中の基本。蝋燭に火を灯します。
ステッキという道具を使いますが、簡単な魔法なら必要ないでしょう。
因みにステッキじゃなくても剣や弓、槍などの武器でもできます。
魔法を使うために道具が必要なのではなく、意識を集中させるために道具を必要とします。
上級者であれば呪文も必要ありません。
…あぁ、これは今度勉強するので。
話が長くなってしまいましたね。では見本を見せるのでよく見ているように」
そう言うと先生はガラスペンを蝋燭に向ける。
「まずは蝋燭をしっかりと見つめ、意識を集中させます。
…イグナイテッド」
ポッと蝋燭に火が点く。
これはやったことがあるので大丈夫だ。
「ではやってみましょう」
先生の声とともに火が消える。
次は自分の番だ。
蝋燭を見つめ、先生に習って「イグナイテット」と呟く。
「あ、点いた。」
前やったときより簡単に点いた。
呪文のお陰なのか。
