知らない先生と別れたところを見計らって、ヘカテール先生に話し掛ける。
「あぁ、シーファ・レイヴェン。早速寮に案内しましょう」
「お願いします」
ヘカテール先生と並んで大広間を出る。
大きな教科書を抱えた人や、2、3人で喋りながら歩く人達。
いろんな人とすれ違う。
「授業は9時からです。貴女の1限目は」
「ヘカテール先生っ!」
大きな可愛らしい声。
振り返ると金髪のポニーテールの女の子だった。
大きなピンクのリボンがとても似合っている。
「へか…あっ!貴女は、シーファ・レイヴェンさんですねっ!」
パープルの瞳をキラキラと煌めかせ両手を握る。
顔がとても近い。
「わたくし、貴女とはお友達になりたいと思っていたのです!
シャロン・フローラルですわ!よろしくお願いいたします」
ローブを摘まんで膝を少し折る。
上品な挨拶だ。
「シャロン・フローラル」
「あ、ヘカテール先生!」
最初の目的を忘れていたらしい。
ヘカテール先生の咳払いで落ち着きを取り戻す。
「何の御用ですか?」
「あの、シーファさんの部屋番号をお伺いしようかと思いまして…」
「あぁ…丁度良かったです。シャロン・フローラル、この子を寮に案内してあげて頂けますか?」
「えっ!良いのですかっ!?」
先生の提案に飛び上がって喜ぶシャロン。
「これが部屋番号です。1限目の教室も教えてあげてください」
「はいっ、喜んで!」
「お願いしますね」と背を向けて行ってしまった先生にシャロンがブンブンと手を振る。
「では、行きましょう!」
「え、お願いします…」
スキップのように軽い足取りで歩くシャロンに戸惑いながら付いて行く。
