「最後にカメレオンの尾を1本刻んで混ぜてください」
「はいっ」
「……。」
1時間、大鍋をかき混ぜた。
途中グラグラと大きな泡を割りながら煮える液体に驚きつつも、なんとか終わりが見えてきた。
「あ、透明になってきました!」
「どれどれ…うん、初めてで良くできたね。
アーサー君もお疲れ様、君のお陰でシーファさん上手に出来たよ」
「っ…ありがとうございます!!」
勢い良く頭を下げるアーサー先生。
その頭をポンポンと撫でる。
「うん、じゃあ瓶持ってきて」
「はいっ!」
ナジ先生は鍋の火を消すと、優しい笑みを浮かべた。
「魔法薬学ってさ、若い子に馬鹿にされやすい教科なんだよね」
「?何故ですか?」
「材料の重さきっちり計ってさ、グルグルかき混ぜてるだけの地味な教科だからかな?
そんな中でアーサー君はこの繊細な教科に興味もって教師になるために頑張ってくれてるの。偉いよね」
アーサー先生が準備室から大きな箱を持って戻ってきた。
カチャカチャとガラスがぶつかる音がする。
「ね、偉いよね」
「偉いですね」
「え、何が?」
「アーサー君偉いよ」
「アーサー先生偉いです」
「な、何でだよっ!」
顔を赤くしながら吠える先生を見ながら、ナジ先生と私が笑う。
機嫌はすっかり直ったみたいで良かった。
3人で慎重に等分ずつ、ガラスの小瓶に魔法薬を充鎮していく。
変色薬は保存が利かない魔法薬。
週に1度、大量に作って生徒に配るらしい。
毎週これを二人でやっているなんて驚きだ。
「来週も来て良いですか?」
手伝い半分、勉強半分。
「うん、大歓迎。」
来週の予定を頭の中に書き込んでおく。
