時計の秒針の音が頭に響いて…はっとした。 「…帰ろ」 別に誰かを待ってるわけではないし。 たまたま、昨日とその前…椎名と帰ったからもしかしたらと思っただけ。 どうせ今日は1人で帰るけど。 バカらし。 私は教室から出た。 くつ箱へ着くと。 「あれ。君、何やってる?」 妖怪スピーカーが身を屈めてそわそわしていた。 「いのーー!しーっ!」 妖怪スピーカーはいつもと違う音量で話す。君、いつもそれくらいで喋れや。 笑い声はしないものの妖怪スピーカーの顔がうるさく笑っている。