「っ、ひっく、うぅぅ……」
「かすか、はなみずがでている。ハンカチだ。ほら、ふけ、な。」
「ありがとう劉くん…!!」

劉くんとは幼馴染みの男の子のこと。
波留 劉 (はるう ゆう)くん。

「そもそも、やつがれになぜいうのだろうか。」
「…優しいし、平等な意見をくれるから。」

そうか、と劉くんは言って笑った。
…劉くんはあんまり笑わないけど、笑うとすっごい格好いい。うん。

深い緑の髪と淡い緑のコントラストが何ていうか和風だ。ぱっつんだし。

「やつがれは、きょうもげんきである。」
「…うん。」
「だから、かすかもげんきになれ。」

劉くんはこうして私を慰めてくれる。
いや、すっごいわかりにくいけど。

「…ありがとね、劉」
「なんと言うことはない。」