「んでっ、ここが理科室ね。それで、あそこが音楽室ー!」
「…そうか、覚えた。」
「ふふー、それでねぇ、あそこ、が………」
「?幽?」

先輩だった。
吹雪先輩が女の先輩と…キスしていた……。

私は秀弥くんの腕の裾を掴み、走った。

「な、何だ!?おい、かす、か…っ!!?」
「…っ…っ……っ…………」

私は暑い目頭を隠すように俯き、全速力で走った。

嘘だ、嘘だ、と思う。

「…っ、何なんだって言ってるだろう!?おい、幽っ!」
「っっ!!」

秀弥くんが私を引き止めた。
その衝撃で涙が溢れる。

「…ぁ、ごめ、っな、でもないから…!!」
「…!!」

秀弥くんはそれに驚いて、止まった。

「…ほんとごめん!!他の人にあと聞いて!すぐそこだからっ!!!」

私はそう言って走りだす。

あぁもう、心の中が……………
もんもん、もやもやしてるんだ。