「すごいねぇ~」
「だろう!?…じゃなくて、貴様は何年生だっ!!」
「一年生です!秀弥くんはー?」 
「…秀弥くん?…………一年だ。」

秀弥くんはこめかみを抑えて言う。

「おー!…あれ、でも……秀弥くん、この学校にいたっけ?」
「…あれだ、転校。あれをしたんだ。」

秀弥くんは吐き捨てるようにそう言ってフン、と鼻をならした。

「そっかそっか!じゃあ、一緒のクラスになれるかもしれないね!」
「…論外で。まず、貴様に話しかけたのは他でもないのだ。」
「あぁー…なぁに?」

秀弥くんはケホンケホンとわざとらしく咳をしてそっぽを向く。

「迷子」
「……………え?」
「だからっ!オレは迷子になったんだよ!何だ!?悪いかハゲ!!」

悪くはないよ、と言っておく。
ウンウン、ただ、少し意外だっただけ。

「じゃ、いこっか?」
「…は?」
「いやぁ…だから……職員室?」

案内したげるよ、と笑った。