これからどうしようかと考えた時、
私の耳に、子供たちの賑やかな笑い声が聞こえてきた。

(今の時間帯だと、住宅街へ行けば、ちょうど子供達が遊んでる時間ね。
 みんなと会うのも久しぶりだし、一緒に遊んでこようかしら♪)

――住宅街へ向かった私は、一人の天使のように可愛い少年と出会う。
――でも、それは、天使の皮を被った悪魔だった。

リアード
「俺様のどこが悪いって言うんだ」

アリス
「あ、あなたねぇ……。
 善と悪の区別も付かないの?」

リアード
「何の事だ」

アリス
「だから、やって良い事と悪い事も解らないのかって聞いてるの。
 社会のマナーとして、常識のことよ」

リアード
「……そう、なのか?」

アリス
「そうなのかって……。
 親でも家庭教師でも、そうゆう事を教えてもらったでしょう?」

リアード
「…………」

アリス
「?」

リアード
「……親から教えられた事なんて、何一つない」

アリス
「え……?」

リアード
「家庭教師は、くだらない知識ばっかで。
 お前が言うような事は、全然、聞いた事もないよ」

――俺様で我が儘な駄目王子。
――でも、本当は寂しがり屋で、可愛いところもあるのだと知り……

リアード
「……お前、なんか良い匂いがするな」

アリス
「え?」

リアード
「お前、俺様の愛人にしてやっても良いぞ」

アリス
「はっ?!
 な、何言って……!」

リアード
「…………」

アリス
「ちょ、ちょっと?」

リアード
「…………すぅー……」

アリス
「………………寝てる」

――紆余曲折の後、とある貴族の屋敷へ二人で潜入することに。

アリス
「私、アリスと申します」

リアード
「……り、リアと申します」

アリス
「私達、メイドの募集があると聞いて、参りましたの。
 どうか雇ってもらえないでしょうか?」

リアード
「くっ……!
 何で俺様がこんな恰好をしないといけないんだ」

アリス
「今更、つべこべ言わない!
 屋敷に潜入する為には、こうするしかないんだから」

リアード
「やるなら、お前一人で良いだろう。
 なんで俺様までメイドに変装する必要があるんだ!」

アリス
「…………読者サービス?」


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