そう思って腰を浮かせるとぐいっと腕を引っ張られた。
「どこ行くんだよ」
「え…自分の部屋に行こうかと」
「んでだよ。俺がここにいるときは横にいろ」
「……っ」
たまに不意打ちをくらって何も言えなくなるのは私です…。
そんなこと言われちゃどこにもいけないじゃん…!!
彼の横顔をちらっと盗み見るとどこか顔が青ざめていた。ふと不思議に思ってテレビを見ると、ホラー映像が流れていた。
「…………」
いや自分がひとりで見るの怖いからここにいろって言っただけじゃん。めっちゃときめいて損したわ。
なんなんだこいつ。
「…な、なんだよ」
「…私部屋いるね」
「いやだからなんでだよ。ここにいろよ」
「怖いなら見なきゃいいじゃん」
「はっ!?誰がコワイなんて言ったよ!」